【解決事例】相続した土地の境界、両親から聞いていたところと違う!
不動産仲介歴10年以上の私。
200件以上のご相談をお伺いしてきました。
大きなトラブルになる前に、取り組めることもあります。
ご参考にしてみてください。
※お客様のプライバシーに関することについては、一部内容を変更しております。
ご相談内容
先日父から土地を相続しました。
その土地を売却しようと思い、お隣さんにご挨拶に伺ったところ
僕たちが両親から聞いていた境界と
お隣さんが思っている境界が違ったんです…
境界がはっきりしないと売却は難しいですか?
問題の整理
①境界位置の認識が違う
相談者様が認識している境界⇒ブロック塀の外側
つまり、ブロック塀は相談者様のもの
お隣様が認識している境界⇒ブロック塀の内側
つまり、ブロック塀はお隣様のもの
②境界に関する資料がない
問題の土地は、相談者様のご先祖様から代々引き継がれた土地ということで
境界に関する資料が残されていませんでした。
お隣様も同様に、先祖代々引き継がれた土地ということで
境界を確認するというタイミングがなく、現在に至ります。
売却するなど、所有者が他人に変わることがないと
あえて境界に関する資料を作成することがないのが現状です…
解決への道
土地家屋調査士に依頼して、境界確定をしましょう
土地家屋調査士とは
土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査・測量して
図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う専門家です。
境界確定の流れ
①資料調査、現地調査
役所や法務局で資料を調査し
調査した資料を基に現地の調査を行います。
②測量作業
専用の機器を用いて測量作業をします。
③関係者の方々に境界確認の立会をお願いする
隣接地を所有している方全員(民間の方、公道に接している場合は行政等)に立会してもらうことが理想ですが
予算の関係で、民間の方のみ立ち合いをする場合もあります。
④境界標の設置
立会で決まった境界の位置に、境界プレートやコンクリートの杭等を設置します。
⑤境界確認書に署名
境界位置に納得してもらえたら境界確認書に署名します。
この時に越境(境界から屋根や、植木がはみでていること)などがあれば
取扱いについて「覚書」を作成します。
これで、境界に関する資料を現地と書面に残すことができました。
スムーズに手続きができると、約2週間程度で完了します。
結論
境界確定の結果、境界は相談者様の認識通りブロック塀の外側でした。
測量の結果と併せて、ブロック塀の施工をした際の相談者のお父様宛の領収証が出てきたことで
ブロック塀が相談者様の所有ということが分かったからです。
お隣様にご説明したところ、お隣様も聞き伝えのあやふやな記憶だったとのことで
境界にご納得いただきました。
今からできること
①境界に関する資料がないか確認しましょう
境界標や境界確認書があるのがベストですが
境界線上に設置されている構造物(ブロック塀やフェンスなど)が誰の所有かわかる
施工業者の領収証なども参考資料となる場合があります。
②費用はかかるけど、早い方がベター
例えば、北・東・西の三方が民地に囲まれていて南側が公道だった場合
境界確定にかかる費用は約20~50万円
(土地の広さ、建物の位置、近隣との密接状況等によって異なります)
決して安くはないですが、境界がわからないまま放置して隣人とトラブルになってしまった場合
解決するためにさらに費用がかかる場合も…
③お隣さんとコミュニケーションをとっておきましょう
いざ売却するときになって、境界トラブルで売却できない…
なんてことにならないためにも
日頃からお隣さんとコミュニケーションをとっておくことが大事です。
今回の事例のような内容でお困りの方はお気軽にご相談ください。
必要に応じて専門家のご紹介もさせていただきます。
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